松本清張の短編小説を映画化。田中裕子が謎めいた娼婦の女性を演じた。
石川さゆりの『天城越え』(1986年)よりもこちらが先。
14歳の家出少年と娼婦が天城峠を旅しているとき起きた殺人事件。原作は「清張版・伊豆の踊子」ともいわれているそう。
映画冒頭のモノローグ
「私も川端康成の『伊豆の踊子』みたいに天城峠を越えたことがある」
本作はとにかく田中裕子の魅力を堪能する映画!
着崩れした着物、輝く紅白粉、咥えタバコ。漂う色香にひたすら魅了される。
それに比べて、渡瀬恒彦の台詞回しの技術の拙さが終始目立つ格好となっていたのは残念だった。