ぺろ

蛇の道のぺろのレビュー・感想・評価

蛇の道(2024年製作の映画)
3.7
シネマシティでのトーク&サイン付の回へ。オリジナルがドドドド傑作であるのは大前提として、私個人はリメイクも結構好きである。新島はちゃんとチャリで帰宅するし。が、刺さらなかったという人の気持ちもわかる。

欧米諸国の作品における東洋人の女性のステロタイプな表象を中心においた作りが案外小気味よいまであるし、その作りを可能にしている柴咲コウの「表情は一切動いてないように見えるが、感情の変化が顔に出る」芝居がすごい。哀川翔の新島は彼岸の人だったが、小夜子はそうではないのだなぁ。

あと西島秀俊と青木崇高もすごい。ルンバも名演。特に西島秀俊の診察シーンはカメラワークの技巧性も相まって素晴らしかった。ここでのやりとりが、実際にはラストの青木崇高とのやりとりに直結する作りもいい。もはや本当に別居中の旦那がアレだったのかは問題ではなく、小夜子が能動的に「終わらない」状態に身を置き続けるということをハッキリと突きつけてくるラスト。ここで小夜子を信用できない語り手と見ることも出来るけど、むしろ小夜子の内面の顕在化と思った方がしっくりくる。

フランスの俳優さんたちはよくわかんなかったかな。ジムのロッカーで拉致ろうとした相手が予想外に強かったの笑った

オリジナルは復讐サスペンスxヤクザxオカルトが絡み合った複雑怪奇な作品ながら非喜劇でもあり、謎にエモい瞬間もある終末映画であった。私はオリジナルにおけるこのオカルトとそれに伴う終末感が大好きなのだけど、これを中途半端に残さなかった故に割と気持ちよく見れたのかな、とは思う。トークでの高橋洋の鳩の話が途中で終わっちゃったのが一番残念だよぉ…
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