おしぼり

ぼくのお日さまのおしぼりのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
5.0
『お日さまとお月さま』
吃音を持つ少年タクヤは周りにうまく馴染めずに何か満たされへん日々を送ってる。そんなある日フィギュアスケートをやってる少女サクラの姿に心奪われ一緒にペアでアイスダンスの練習をすることになり……。

『お日さまが見てる』っていう表現があるように。見る人見られる人っていうところから物語が始まり。この『見る人見られる人』っていうのがこの物語のテーマの一つとなっているようで。度々この描写が見て取れます。

というようにタイトルに込められた意味というのが多く。
お日さまに対して劇中アイスダンスの楽曲が『月の光』と。太陽と月の関係が色んな意味や形で表現されてます。

男と女。性の目覚めから性のゆらぎまで。
そして何より感じたのがやはり。陽と陰。幸せと悲しみ。
ペアダンスの練習を始めたことがきっかけでタクヤとサクラと荒川の関係は良好になっていき、これからの幸せを予感させるものになっている。ただ、あることがきっかけでその関係は崩れていく悲しみ、と。その幸せと悲しみの見せ方が視覚的にも明暗のコントラストがハッキリつけらていてより際立つものとなっていました。

そして日が沈めば月が昇り、月が沈めば日が昇る。すごく当たり前な、この円環に落とし込んだ物語のラストは胸に来るものがありました。

今は月の光しか届かなくても、また日は昇る。

久しぶりの号泣案件の作品でした。
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