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ぼくのお日さまのakinaのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
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良かった良かっためでたしめでたし、ではないのだけど、あぁ良かった、と言える。

荒川と、さくらと、たくやと
それぞれが誰かに羨望の眼差しを向けながら、徐々に3人が関係を深めて行く様子は微笑ましく温かな気持ちになった。
さくらが描いた"あの瞬間"は、最も幸せな瞬間だったし、これが3人の最高潮であることがなんとなく感じられるからなのか、とてつもなく儚く美しい時間だった。

最近観た「ナミビアの砂漠」と同じくスタンダードサイズの画角に、少年少女たちの世界はまだ狭く限られた世界であるけれど、最後のカットの表情も含めて、これから彼らの世界がグッと広がっていくであろうことも感じさせる。

季節が移り変わっていき、ガラッと表情を変える北海道の景色も、劇中曲やドライブ中の選曲、そしてハンバート・ハンバートの主題歌といった音楽も、どれも繊細で穏やかで良かった。
受賞こそ逃したものの、グザヴィエ・ドランが審査員長だったカンヌの"ある視点"部門にノミネートされ、高い評価を得ていたというのも頷ける。

ちなみに、たくやの友達のこうせいくん、出番は多くなかったけど、めちゃくちゃ良かった。あと、池松壮亮は、やっぱりなんか良い。
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