おにくちゃん

ぼくのお日さまのおにくちゃんのレビュー・感想・評価

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)
4.6
ハンバートハンバートは好きだし、何となく音楽を担当しているとは知っていたものの、彼らの「ぼくのお日さま」と今作が全然結びついていなかったので驚いた。
そういえばタイトルが同じだし、吃音症をフューチャーしているのもそう。
なんで気づかなかったのだろう。
エンドロールで流れた彼らの歌に思わず落涙した。

流石に監督が撮影をしているだけあって画がすごく良い。
特に「光」へのこだわりはすごいと思った。
聞いた話だと監督は絵コンテで構成をきっちり考えて画を撮るタイプだそう。
納得の素晴らしさである。
思えば前作のイエス様も画が印象的だった。

話も良い。
マイノリティを取り上げそれを劇的に描くのではなく、それが当たり前の日常の延長線上にある苦しみみたいなものが描かれていて良かった。
荒川に感情移入してしまうものの、地域性や子供から見た視点などを考えると誰の立場も理解できる気がした。

印象的なシーンが多いのだが課外合宿!?でのゾンビーズの楽曲をバックにした3人の雪シーンが特に好きだった。

美しく、儚い映画。
今年公開の映画ナンバーワン候補。

パンフはかなり充実した内容で、前日譚の載っているのでかなりおすすめ。