いぬ

夢見びとのいぬのレビュー・感想・評価

夢見びと(2021年製作の映画)
3.6
鑑賞後に頭に浮かんだ言葉は「愛おしい!」

登場人物がむしょうに愛おしくなり、作品そのものも愛おしくなった。
いかにも低予算で作りましたという感じで、ロケーションもやや無理がある場所だったり、照明が単調だったり、衣装もチープだったりするのだが、途中から不思議とそんなことが全然気にならなくなり、とにかく主人公の二人やお父さんなどの登場人物が愛おしくてたまらなくなる。また、演じている皆さんが、きっとこのお仕事を楽しんでいるに違いないと思えてくる。
カナコ役の女優さんの笑顔がとてもとてもチャーミング。こんな笑顔する人が近くにいたら、男性も女性もみんな好きになっちゃうに違いない。マサ役の俳優さんも、最初は正直「キモッ・・・」と感じてしまったが(ごめんなさい!)、見終わる頃には全力で応援したい気持ちになっていた。
冒頭のダンスシーンが、途中で意味を持って再度出て来る構成がとても効果的だと思った。タイトルはもうちょっと他になかったのだろうか。作品の魅力に比べ、タイトルが地味すぎると思う。
終演後、ロビーにカナコ役と背の高い俳優さんのお二人がグリーティングにいらしてた。「愛おしくなりました!」って直接伝えたかったが、予期せぬことだったのでコミュ障発動、お二人の方に顔も向けられずに帰ってきてしまった(涙) また、カナコは映画の中のカナコのままにしておきたかった気持ちもあり、現実の世界で話しかけたらカナコがいなくなってしまいそうな気持ちもあった。
カナコさんはじめ、演者の皆さんがこのレビューを見てくれてたらいいな。
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