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イカとクジラのpicaruのレビュー・感想・評価

イカとクジラ(2005年製作の映画)
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『イカとクジラ』

今日は朝から雨が降っている。
雨の日にノア・バームバック監督の映画を観る時間は至福。

1986年ブルックリン。
家族4人の物語。

冒頭から『マリッジ・ストーリー』っぽい! と思ったら、お話もそんな感じでびっくりした。
ノア・バームバック監督は結婚に対して恨みでもあるのか?(笑)
夫婦関係も親子関係もぎこちなくて空回りばかり。

映像の質感が好きだった。
冷えきった関係性を温もりのあるカラーとライティングで包み込み、心地良い音楽が流れる。
登場人物たちの周りの空間が、修復を祈っているような気さえする。

おもしろい点が、夫婦そろって作家であること。
(そのせいで、ギクシャクしたりもするのだけど。)
本編では本や映画がたくさん登場する。
映画館で『ブルーベルベット』を観るシーンまである。

作家の夫婦に合わせたのか、文学的なタイトルはノア・バームバックの雰囲気を醸し出していてお気に入り。
イカとクジラが何のモチーフなのか、それは観てのお楽しみ。

もうすぐ父の日だ。
『Father's Day』というタイトルの映画があるなら、監督はノア・バームバックだろう、そうであってほしい、なんて思った。
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