写楽誕生から一時の栄枯、そして盛衰の経緯
どうせフィクションだろうけれどストーリー自体はまあまあの面白さ。
映像の斬新さはさほどないが、手堅く安定感はあったとも言える。
オヤッと思ったのが音楽。武満徹のクレジットがあってもさして期待はしていなかったが、いやなかなか絶妙にマッチし相応の魅力も醸していたのは間違いない。
主演の真田広之は写楽のイメージとは異なるが、びっこを引いての立ち回りなどきびきびした所作でだらけ感がなく、主役としての務めを十分以上に果たしたという印象。
〝元祖?魔性の女”葉月里緒奈は魔性性十分とは言えず七八分程度。
総じて3.5の三ツ星といったところ。
今回脇役に回った歌麿の女絵はうーむと唸る魅力があるが、写楽の役者絵はそれとは全然違う〝面白味”があり誠に甲乙つけがたく、共にジッと魅入ってしまう吸引力がある。
012104