おかちゃん

シド・バレット 独りぼっちの狂気のおかちゃんのレビュー・感想・評価

3.0
▪️Hipgnosis絡み制作で、挿入されるイメージ映像が安っぽくなく好感。
▪️シネマ=ベリテ風のinterviewerの突っ込みがGood job✌️。関係者へ突っ込みが、映画の持つ命題を上手く展開させ、話を拡げる。

▪️PINK FLOIDのSyd期とRoger期は、音楽性が変化してるのは、折り込み済。彼の奇才振りも聞いていた。要は、StonesのBrian Jonesような存在と作品中でも語られる。意外だったのは、彼とバンドは喧嘩別れ状態だと思っていた。だが映画ではBrianとも異なる点が語られる。Roger期は、Blues base のプログレバンドへと変化してるので、D-Gilmour影響力が大きいと推察していたが、そうではなくSyd自身の問題が多かったのだ。(むしろDaveは、かなりSydの音楽を支えている。)
▪️ここでも、芸術と商売は両立しない?という命題が悲劇を産んでいる。バンドが売れると、音楽とそれを取り巻く状況がどんどん肥大化し、その状況が収拾出来なくなる。売れてくると、当然次のヒット作品へ期待がかかる。自身の音楽的or芸術的思考は、そこばかりではない…。其処の矛盾を上手く外・内的に処理出来るか?だろう。そこの典型事例が映画内で展開される。
▪️同時に、あの時期にあのままSydの音楽性で、あれだけのBid Band になっていたか?という点。歴史に「たら・れば」を言えばキリないが、当時のヒット環境は、Noisyでloudな音が求められPsychedelicで実験的音楽は徐々に交代し、一部の前衛音楽好みを満足させるものになっていた。P FLOIDの持つ理解し易い🤭音楽が出来上がっていたであろうか?その辺りは、Roger 始め各メンバーも自覚しているようだった。

何れにせよ、天才と狂人は紙一重の喩えのごとく、大変勿体無い存在だった。
恐らく今の時代のindie rock のようなMovement がもう少し早く形成されていれば居どころもあったろう。そしてまた、今の彼らにウケる点なのだろう。