Monsieurおむすび

イヴォのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

イヴォ(2024年製作の映画)
3.7
#イヴォ #TIFF
緩和ケアスタッフとして患者から患者へ奔走するイヴォ。家族のように患者と親密になり、患者宅で過ごす姿は自宅以上に溶け込んでいる反面、精神的には仕事を超えた関係に陥ってしまい、本当の意味で彼女が心の羽を伸ばせるのは移動間の車内だけ。

車を走らせ置き去りにする景色は荒々しく無機質で、停車の際は外界を自由に暮らせる人々の営みが微笑ましくも写り、公私の境界が曖昧になってしまったイヴォを繋ぎ止める。
死と愛に惑いながら身勝手さにも傾く、1人の女性であり、母親であり、自立した人間のポートレート。
そうしてまた車窓から世界を覗く。
Monsieurおむすび

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