ミシンそば

悪魔と夜ふかしのミシンそばのレビュー・感想・評価

悪魔と夜ふかし(2023年製作の映画)
4.7
レイトショーで鑑賞。

70年代にジョニー・カーソンと双璧を成した(成したけど、どっちかと言うとじゃない方。人気は低迷中)、深夜バラエティの司会者ジャック・デルロイがホストを務める番組「ナイト・オウルズ」の、発掘された放送事故回のマスター、そういう体で進むモキュメンタリーホラー。

放送日はちょうどハロウィンで、77年と言う時代らしく、再ブームを迎えつつあったオカルトを真っ正面から扱ったプログラムで飛ばして行く。
特殊効果とかは70年代のSFXが妙に拙いホラーとかのように若干チープで、序盤の霊聴能力者とかからもそこは現れていた。
チープさはチープさのまま続くのだがハッキリ言ってその上でこちらをゾクッとさせる手法は、「スケア・キャンペーン」なんかも撮ってるケアンズ兄弟お得意の手法なのだろうが、本作はチープさや時代背景、出演者の台詞に散りばめられた伏線全てが、ほぼほぼ完璧な形で一つの作品として結実したって言っていいと断言できる力作だった。

ジャックが所属していたカルトっぽい組織に関する未回収(だが関わりがあることは明らかだとも思う)の伏線でもゾクリと出来たし、ホラーとして非常に質も満足度も高かった(Rotten Tomatoesユーザー受けはいいだろうなと思うタイプの作品だったなとも思いはしたけど)。