このレビューはネタバレを含みます
【 その確信犯的静寂に拍手。】
動かない。
ビックリするぐらいに動かない映画。
間違いなく最初は動揺する。
でも観つづけ、体を委ねていくと次第に心地よくその世界に誘われる。 日常の慌ただしさから切り離され、この映画独自の時間の流れに意識が組み込まれていく。
そして結末にたどり着き、はじめてその狙いに思い至る。 死を意識した者、それだけを求めた者の、世界から極めて剥離した思考と感覚を体験させるための演出だったのだと。
自ら死を決意した者の生は限りなく死に近いグレーから黒へのグラデーション。
この確信犯的静寂という演出に
僕は拍手を送りたい。