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美しき仕事 4Kレストア版のrebのレビュー・感想・評価

美しき仕事 4Kレストア版(1999年製作の映画)
3.3
ル・シネマの先行上映&クレール・ドゥニ監督来日トークイベントで鑑賞。
仏マルセイユ、かつてアフリカのジブチで外人部隊の上級曹長だったガルーは、その頃のことを回想する。
暑く乾いた厳しい生活環境でありながら、海も空もため息が出るほど美しいジブチ。
上官に憧れを抱いていたガルーは、入隊してきた新兵のサンタンに対して複雑な気持ちを持つようになる。
若く社交的なサンタンはたちまち人気者となり、上官からも目をかけられる。
訓練を終えた部下たちが、サンタンと共に戯れる様子を目にしても、ガルーは気軽に入って行けず、疎外感にかられる。
ガルーを演じたドニ・ラヴァンの演技はさすが!
感情をあまり表に出さず、上官への思いも胸に燻らせたまま、サンタンへの屈折した感情をフツフツとたぎらせていく。
植民地行政官の娘として、ジブチで少女時代を過ごした監督。 
その時目にした外人部隊の、規律正しく美しい所作に心を動かされたという。
しかし兵士の訓練とはいえ、各地で戦争が起きている今では、このような映画は作れないだろうと監督は語っていた。
サンタンにも惹かれる愛憎の果てに、彼をとことん痛めつけやりたいと、自分の気持ちを拗らせたガルーはサンタンを陥れる。
そして除隊させられたガルーは、後悔と自己嫌悪と本当の孤独に絶望し、丁寧にベッドを整え拳銃を抱えて横たわる。
ラストシーンでドニ・ラヴァンはディスコで踊りまくる。今まで抑えていた全ての感情を解き放つかのように躍動する彼の肉体は素晴らしかった。
監督は、あのシーンはガルーが帰国する前で、本当は拳銃のシーンがラストなのだけれど、それでは悲しすぎるので、ダンスシーンと入れ替えたと語っていた。
外人部隊メンバーの中に、おっイケメン!と思ったらやっぱニコラ・デュヴォシェルだった。
いつも脇役ですぐ退場してしまいがちだが、今回はずーっと訓練頑張っていた。でもやっぱ印象は薄め。でもまぁあのリュディヴィーヌ・サニエちゃんを射止めた彼だもんなぁ。
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