ラストシーンは冥界へのダンス。
むせかえるような人混みが映し出される映画の冒頭と対照的だ。
迸る生命力と死への欲動をワンショットで同居させることができるなんて!
ジブチの簡潔で荒涼とした美しさ。
マルセイユの雑多で騒々しい日常。
ドニ・ラヴァンは木へよじ登り、抱えきれないノイズを断ち切るように剪定をする。
ともすれば下品で扇情的になりがちな嫉妬と羨望、マッチョイズムをここまでクールに緊張感を持って撮ることが出来るとは。
何かがカチッとはまって、画から湧き出る得体の知れないエネルギー…クレール・ドゥニの究極の「美しき仕事」。