benno

フォロウィング 25周年/HDレストア版のbennoのレビュー・感想・評価

4.2
ノーラン監督作品…9作品目にしてデビュー作

そしてノーランはデビュー作からノーランでした!!

《メメント》には規則性がありましたが…今作はバラバラの時系列…シーンの中の僅かな情報を頼りに物語を組み立てるフィルム・ノワール


主人公は孤独で寂しい作家志望のビル

冒頭…警察での供述シーン…何故? 何をしたのか?



ビルは初めは創作活動の為、街で見かけた気になる人物の跡をつける(following)行為を繰り返します

相手の素性が分かった時点で尾行は終了…同じ人物は2度と尾行しないことを自分なりのルールとしていました

ある日、跡をつけていた男性にカフェで尾行がバレてしまいます

男の名前はコッブ…実は彼もまた、他人の家に不法侵入して私生活を覗き見る行為に取り憑かれていた人物だったのです

そしてコッブはビルを誘い、あるアパートの一室へ…ビルは次第にコッブに感化されていきます


“You take it away…and show them what they had.”

    盗まれて初めてその真価に気付く


なるほど〰︎じゃなくてს…絶妙に上手いコッブの泥棒哲学にまんまとハマってしまうビル

その後ビルは侵入したアパートで見つけた写真の女性に興味を持ち、思わぬ事件に巻き込まれることに…


    ∞--------------------------‪𓏲𓎨ෆ ̖́-‬


コッブの手練手管も然る事ながら、孤独で日々退屈だったビルは自分の趣味に更なる刺激を与えられコッブの思うまま流されていきます…その様子は容易に理解出来て、純粋が故に哀れで虚しい

主要人物は3人…コッブとビルの共犯関係、ビルと女の共犯関係…そして…どんどんと関係性が変わっていくのも面白い

映像はとてもスタイリッシュですが…全体を捉えない手持ちカメラのショットやモノクロだからこそ、建物や部屋のあらゆる状況が推測し辛い

先の読めない展開に、主人公の殴られた顔や髪型など少ない情報からピースを繋ぎ合わせていくのも刺激的

何故かビルの部屋のドアにバットマンのステッカーが…予知夢(๑•̌.•̑๑)ˀ̣ˀ̣ やっぱりノーランは👽かもს



そして冒頭での供述シーン…ビルと警官の話の食い違いから埋まっていくピース

最後のピースがはまる瞬間…驚きと快感です!!



映像美の素晴らしい大作は言うまでもないですが…ノーランのニッチな作品ももっと観たいなぁ〰︎ෆ*
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