人を尾行して、物語のネタを探していた。そんな時、俺はあの男と出会った。男は不思議な魅力を纏っていた。彼は盗人、目的はスリル。彼と出会ったことで、すべてが狂い始めた。持ち物で人が分かる、と彼は語る。騙されたら、後戻りはできない。
クリストファー・ノーランの創造の原点となる物語。人智を超えた交差する時間軸。緊迫感を漂わせるショットの連鎖。伏線の嵐をすべて回収するラスト。70分の時間を操り、ひとりの男の人生が崩壊する物語を描く。
人は欲に踊らされる。果てなき好奇心が植え付けられている。持ち物ひとつで、人は物語を語る。