2024年 323作目
(劇場 195作目)
『南総里見八犬伝』の作者滝沢馬琴のこの作品の執筆に掛かった28年の歳月を、物語のダイジェスト版と組み合わせて、
「虚」と「実」を織り交ぜながら描いていく時代劇作品。
内野聖陽の葛飾北斎ってなんかめちゃくちゃ似合うなぁ。
2人と妻お百味を演じた寺島しのぶが段々と年老いていくこと、息子の静五郎(宗伯)を演じた磯村勇斗、が成長し妻お路(黒木華)を迎え、そして病気に罹り死んでしまう流れで28年の歳月を描いている。
南総里見八犬伝は名前を知っているだけで物語そのものは全然知らなかったが、滝沢馬琴の名前は一昨年の朝ドラ『らんまん』で浜辺美波演じたすえちゃんがファンだったのはなんとなく覚えていた。
虚のファンタジーパートと交互に描かれていくので150分の尺の長さを感じない。
けど、四谷怪談と忠臣蔵の舞台のシーンは面白くなかったなぁ。
奈落での立川談春とのやり取りは面白いけど。
最初の8個の珠が散らばるシーン、もはやドラコボール。(7個だけど)
八犬士(剣士)や虚のパートを演じた役者達も豪華。
段々と仲間が集まっていくRPG感とか面白い。
ただやはりファンタジーパートは何となく物足りない。そこが全てではないので勿論仕方ないけどもっと観たくなる感じ。
アクションやVFXも満載で面白い。
栗山千明の怪演は最高過ぎるんだよなぁ。
馬琴の「正しい者が勝ち、悪は罰せられる」
今のヒーロー物の原点とも呼べる物語。
現実はそうそう上手くいかないものだがフィクションの世界だからこそ理想を突き詰められるという。
葛飾北斎が挿絵を書かなかったのは自分の体調があんまり良くない事を知ってたからなのか。
南総里見八犬伝、それだけで映画、いや、NETFLIXドラマで深掘りしたドラマ作ってくれないかなぁ。