両目洞窟人間

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版の両目洞窟人間のレビュー・感想・評価

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ピクニックに行った三人の女学生と一人の先生が失踪した。何故失踪したのか、どこへ消えてしまったのか、それは何もわからない。
四人が失踪してしまったことで、徐々に何かが壊れ始める。そして気がついた時には決定的に壊れてしまっている。

何故消えてしまったのか。
消えてしまったことに、ポジティブなメッセージを読み取ることも可能だろう。
当時の女性性から、自由への脱出ととれることもある。
だけども私は異界と繋がってしまった魔の山がこの世にはあり、そこに触れてしまった…という白石晃士的というかフェイクドキュメンタリーQ的な物語として見ていた。
だから、あの山がおかしかったのだと思う。
あの山がやばい場所だったのかもしれない。

だから何か恐ろしいものを見ている気持ちに終始なっていた。
恐ろしいのだけども、その中心は空白で、その呪いだけが伝播していく。
みんなそれによって狂わされて、結局壊れてしまう。
絵画のような美しい映像で描かれた恐ろしい寓話。
両目洞窟人間

両目洞窟人間