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ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版のrebのレビュー・感想・評価

3.6
1900年のバレンタインデー、オーストラリアの寄宿制女子学校の生徒たちが、岩山ハンギング・ロックにピクニックに出かけ、3人の生徒と1人の女教師が失踪する。
1967年に発表された同名小説を基に映画化。実話疑惑や解けない謎で、話題になったカルト的本作。
昔観たけど、どゆこと?としか思わなかった。しかし今回観直してみて、なんか色々モヤモヤした。
長らく流刑地とされ、アポリジニの土地を奪いながらイギリスの植民地として存在していたオーストラリア。
1901年にオーストラリアは連邦制となるが、非白人の移住を規制する移住制限法などの成立で、白人最優先主義とそれに基づく非白人への排除政策が確立していく。
本作が1900年と設定されているのは、作者のなんらかの意図を感じる。
長きに渡り迫害されながらも、万物の神である自然を敬い、守り続けてきた先住民たちの怒りは神に届き、美しき白人少女たちを神隠し、神への捧げ物としたのではないだろうか。
堅物の先生?まぁ彼女は心も体もおそらく少女だったんでしょうね。
そしてコルセットに象徴される抑圧。それを脱ぎ捨てる解放感から、容易く暗示にかかってしまう思春期の危うさもあるのかなぁ。
まぁ不思議なお話で、やっぱりよく分からないのですが、ミランダ役のアン=ルイーズ・ランバートがため息が出るほど美しすぎるのは、紛うことなき事実なので、必見です。
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