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胸騒ぎのrebのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.2
休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人夫妻と幼い娘は、そこで出会ったオランダ人夫婦と幼い息子と意気投合し、後日招待状を受けとり、オランダの人里離れた彼らの家を訪れる。
ヨーロッパでは旅先で他の家族との友情が生まれることはよくあるらしく、デンマーク人のクリスチャン・タフドロップ監督も、実際にオランダ人家族から招待されたことがあったそうだ。
もし行ったらと想像を膨らませたとはいえ、せっかく誘ってくれたのに、こんなホラーを作り上げちゃった監督さすがです。
息子が喋れないということだったので、あの“処置“をしてるんだろうなぁとは思っていたけど、最後それを実際やってみせるシーンがあったのにはびっくりした。
チラシには「ミヒャエル・ハネケを彷彿とさせる」とあったが、ハネケ監督は終始もっと突き放した演出なので、あまりハネケらしさは感じられなかった。
本作のタフドロップ監督は、気まずい状況を描く風刺的なコメディを多く撮ってきて、ホラーは初挑戦だったとか。
その気まずさの方に重点を置いてしまったからなのか、ホラーとしてはちょっと中途半端な感じがした。
デンマーク人夫妻は最後に「君が差し出したんだ」と言われ、ぬけがらのようになってしまっておとなしく罰を受けるが、処刑の中で最も苦痛が多く残酷とされる、“石打ちの刑“に処すところはなかなかシュールだった。
彼らは何が目的だったのだろう。子供目当てであれば、家に着いた時点でさっさと両親を殺してしまえばいいワケだが、さぁあなた達家族はどこまで耐えられるかな?自分の子供をちゃんと守れるのかな?というゲームだったのかもしれない。
リメイクでどう料理されるのか楽しみ。
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