きゃしぃ

家出レスラーのきゃしぃのレビュー・感想・評価

家出レスラー(2024年製作の映画)
3.7
プロレスを知らない人にこそ是非とも観てもらいたい、
現役レスラーの半生を基にして作られた2割フィクション、8割本当の話。
落ちこぼれの家出少女、岩谷麻優が世界が羨む女子レスラーになるまでの苦難と努力を、
実際のレスラーの人も含めた演者の方々の文字通りの体当たりな演技と、
多少の粗を打ち消しながらも臨場感と緊迫感を演出するカメラワークと撮影方法と手腕で描いた一本。

特に、一人称視点や俯瞰、アップや引きの絵が目まぐるしく変わる試合シーンは見事としか言いようがありません

名前の変更などはあるものの、起きた事はほとんど史実のまま、
特に実際のプロレスファンでも言及を控えるような事件もちゃんと描いていたり、
女子プロレス団体「STARDOM」の創設から現在に至るまでを最前線に居続ける岩谷麻優だからこその視点で歴史が追えるのが魅力。
それでいて、岩谷が関与しない部分は徹底して削いでいて、全くプロレスを知らない人でも入り込みやすくなる様配慮されており、
良くも悪くもリアルタイムで追ってきたか否かでイメージが大きく変わる作品に感じました。
実際に追ってきた自分からすると、
複数回にわたって脱走したエピソードや、
今回描かれなかった「盟友」や「後輩」の存在など、
是非とも観たかったエピソードが多々あるのが悔しい点ではあります


少なくない人数のプロレスゆかりの芸人達が非常に騒々しいのも人によっては鼻につくかなと思いつつ、
レイザーラモンRGたちの「面倒臭いプロレスオタクの」の解像度は一見の価値有りかと
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