滝井椎野

劇場用再編集版 ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOPの滝井椎野のレビュー・感想・評価

4.4
YouTube版も観ていたが、改めて良い作品だった。
各主人公たちの抱える光と影、レースの熱気、キャラクターの魅力、それらが本当に良い塩梅。

ナリタトップロードは勿論、各キャラそれぞれの背負っているものがしっかり掘り下げられて描かれているからこそ、乗り越えた先の熱と感動が涙を誘う。
トプロの諦めなかった先の勝利はこれ以上ないほどに熱く、何と言ってもトレーナーに最も感情移入して観ていた私としてはついぞ涙腺が緩んでしまう。

オペラオーの世代を背負わんとするカリスマとライバルを気遣う優しさはまさに覇王。時折みせる悔しそうな顔なんかも、よりキャラが掘り下げられていて素晴らしいと思う。

アヤベさんは面倒くさい女ぶりが実に愛おしいのだが、最後に妹ちゃんが運命を持ち去ってくれるシーンは本作トップの泣き所。
この手の史実を捻じ曲げてハッピーエンドに持っていく展開は個人的に大変好ましく、創作物の持つ力を感じられて胸が熱くなる。

そんな主人公たちがひたすらに頂点をかけて競うレースがこれ以上ない迫力で描かれているのだから、面白くないわけがない。
結果を知っていてもついつい両拳に力が入ってしまった。

それにしても、この三冠をかけて競い合った3人がそれぞれ一つずつ冠を勝ち取る……これが史実に則っているというから面白い。
映画館でこの傑作を観ることができて本当に良かった。
滝井椎野

滝井椎野