ミシンそば

バッドボーイズ RIDE OR DIEのミシンそばのネタバレレビュー・内容・結末

バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

前作「フォー・ライフ」の内容をほぼ忘れてしまったから観ないでおこうかとも思ったが、スコアの高さに釣られて観賞。
劇場CMでなぜ「帰ってきた あぶない刑事」とコラボしていたのかがよく分かる、「いい齢したオッサンが無茶やる刑事ドラマ」の無茶さ加減は大分似ている(まあアクション規模とかは当然違うけど、共通点はどうしても感じる)。
歳食ってるなら歳食ってるなりに暴れるぜ!ってやった結果が本作だが、確かに色々盛り沢山、前作で「進めすぎた」時計の針の進みを清算する試みも観られた作品だった。

最序盤にマーカスが心臓発作で死にかける。
間違いなく原因は不摂生だろうし、あそこで死んだとして自然死ではあるのだが、なんか助かって、助かってからずっとラリってるみたいに変で、超傍若無人なマイクがツッコミに回らざるを得なくなった場面も多い。
マイクもマイクで、トラウマからパニックを抱えていて、戦闘面でデバフを抱えている(自分の息子であるアルマンドが大恩あるハワード警部を殺したことと、家族としての情との鬩ぎ合いから来るものだと自分は受け取ったが)。
そんな状況で、死人に口無しと言わんばかりに、ハワード警部に麻薬カルテルへの関与疑惑が噴出し、汚名返上のためにバッドボーイズが動くが、さらなる陰謀へと引きずり込まれていく……

前作で明らかにやり過ぎだと思ったハワード警部殺害の話に、四年越しに奥行きを持たせた、そんな感じである。
自分の死を予見していて予め遺した映像、と言う体でパントリアーノは続投している。
そして、ハワード警部の仇であり、既に言ったようにマイクの息子でもあるアルマンドも今回は完全なヴィランとしては登場せず、過去は消えなくとも少しずつ悪から脱却する様、前作のケジメ的な活躍を見せていた。
不快な悪役が、観ていて溜飲が下がるような殺され方をし、全編通して何か変なマイクとマーカスもいつも通りの感じに最終的に戻り、そうして終わって行く、こう言うのでいいんだよ。って満足感の中で観終われた。

あと強くても何も不思議じゃないけど、家でボーッとゲームしていたマーカスの婿養子のレジーが無茶苦茶強く、ジョン・ウィックやMr.ノーバディを彷彿とさせるアクションで家を襲撃してきた奴らを蹂躙する様には流石に笑った。
ラストの、レジーに対して微妙に強く出れなくなった二人に関しても。
(“BBQ Dictator”を「焼き奉行」って訳すのは結構好き)。