マサルさん

卍 リバースのマサルさんのネタバレレビュー・内容・結末

卍 リバース(2024年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

シネマート新宿にて視聴。谷崎潤一郎の小説の男女逆転版。
(とはいっても原作は部分的にしか知らない)
おそらくは精神病棟にいる園田が物語を語る形式(所々話のやり直しがあったのがやや謎)で、美青年・光に惹かれるさま、妻・弥生との関係の崩壊、婚約者・香織の妨害などが明らかに。
特に無理心中前後から、光へ抱く気持ちが変わりつつも、もう逃れられず(これまでと違いここでの光は怖いし、あまり表現されていなかった園田との濡れ場に対し弥生との行為はあまりにストレートでかつそこに悶々とする園田の構図が巧み)、夫婦とも人生が崩壊へ進んでいく姿が実に痛い。
男女逆転もあり妊娠的な要素は無く、その分愛憎と家の存在(所々の扉が閉まるシーンが重い)が研ぎ澄まされてるよう感じた。