えりーぜ

ブルーピリオドのえりーぜのレビュー・感想・評価

ブルーピリオド(2024年製作の映画)
3.9
期待以上の良作だった。
マンガ原作は序盤の勢いから失速、中だるみを経て盛り返したなー、って印象なんだけど、
冒頭、八虎が絵の道を志すきっかけとなったシーンが上手く描かれてた。
森先輩の絵とか、美術の先生のさり気ないアドバイスとかも重要なんだけど、何より、自分の中に表現したいことや伝えたいことがあって、それが拙くも誰かに届いたことに、初めて生きてる実感を得るってことが、ちゃんと伝わるシーンだった。
原作では更に膨大なデッサン量をこなしていたけど、細かな点の改変はありつつも、
友人のさり気ない応援、龍二の葛藤や世田介との衝突も、上手く消化した印象だった。
伝えるべきことがちゃんと伝わった。
才能とか努力とか、綺麗事だけじゃなくて、実際の生活と天秤にかけながら必死で抗い、闘う姿が、美しかったよ。