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ストップモーションのsymaxのレビュー・感想・評価

ストップモーション(2023年製作の映画)
3.6
…そう…あなたはパペット…操り人形…

偉大なストップモーション・アニメーターの母を持つエラ…病により思うように動かなくなった母の"手"として作品を完成させようとする…が、母は倒れてしまい、エラが母の作品を引き継ぐしかなかった…

"ダメ…何のアイデアも浮かばない…"独力では何も出来ないエラの前に現れた少女…彼女の話は魅力的で恐ろしい…少女のアドバイスを受け入れ、新たな作品に取り掛かるエラだったが…

才能ある母に対する尊敬と畏怖、そして鬱陶しさを感じながらも、一人のアーティストとして独立したい主人公のエラでしたが、悲しいかな母のような才能には恵まれず、その絶望感が見せる悪夢に現実と虚構の境界線が曖昧になる世界観はちょっと好き…

何しろ不気味な人形のデザインが本作の世界観をナイスなカオスに引きずり込んでいて、雰囲気はピカ一なんです。

よっく見ると、話はありがちで怖さという点では…まぁ、それ程…ただ、後半の畳み掛けるような痛々しさは抜群です…"いや〜"って、目細めてしまう描写…

天才の母を持つ凡人である娘の焦りというか、狂気が謎の少女を生んでしまったのかも知れません…

エラなりの解決策を見つけたラストシーンなのかなと私的には納得…フィルマの評価は低めですが、綺麗にまとめた不気味な話として、私の評価は高めでございます。
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