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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンのMrOwlのレビュー・感想・評価

4.1
気になっていたものの、スケジュール合わず
そうこうしているうちにスクリーン数も減ってしまい
諦めかけていましたが、タイミングが合い、
上映終了間際にギリギリ間に合って鑑賞。

観て良かった。
予想よりも面白かったし
思っていた以上に感動した。
BGMが良い映画は、感動が強くなりますね。

コメディ要素が多いかと思いきや
どちらかというとアポロ計画に携わった人々への敬意や
前人未到の偉業を成し遂げたことへの誇りを感じる造りになっていてその点も良かったです。

スタンスとして、いわゆる「アポロは月に行っていない」という陰謀論を肯定せず、かと言って過度に嘲笑うという感じでもなく、上手い具合にストーリーに組み込んでいる印象です。

世代的にはアポロ11号はリアルタイムではなかったので、まるでドキュメンタリー映画を観ているような当時の雰囲気を感じられたのも良かったです。

とても真面目な発射責任者コール・デイヴィス(チャニング・テイタム)と、やり手の広報担当ケリー・ジョーンズ(スカーレット・ヨハンソン)の対比と、二人のキャラクターのバックグラウンドが絡む人間ドラマも良かった。

もっと早めにみて、おススメできれば良かったな~というほどの作品ですので、見逃してしまった方は、配信などでも一見の価値ありかと。

陰謀論がテーマなのはちょっとな・・・
と思う方もいらっしゃるかと思いますし
多少の知識のある方などは、かと言って色々疑問も残るよね・・・
となんとなくモヤモヤする方もいらっしゃるかもしれません。

例えばヴァン・アレン帯。
月へ往復する際、ヴァン・アレン帯(1958年発見)と呼ばれる放射線帯を通過する必要があるが、1960年代の技術でそれを防げたのか。
とか。
ただこれは、ヴァン・アレン帯の成分は陽子と電子で。かつては確かに放射線が宇宙飛行士へ障害を及ぼすのではないかと思われた時期があったようですが、その通過時間が短いことや、宇宙船および宇宙服でほとんどが遮断できるため、大きな問題とはならない。というように、しっかり反証されています。

ウィキペディアの「アポロ計画陰謀論」の「捏造説の主な根拠とそれに対する反論」の項で上記も含め色々な捏造説が個別に反証されているので、モヤモヤする方はこちらもご一読いただけるとかなりスッキリするかと。

またまた余談ですがアポロ11号の成功した1969年の翌年1970年に日本で作家の草川隆がSF小説として、『アポロは月へ行かなかった』を発表していたりします。
陰謀論の端緒は意外とこういうものだったりするんですよね。
ちなみにこの小説は円谷プロがその映像制作を請け負う話らしいです。
これはこれで少し興味が湧きますね。
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