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教皇選挙の一人旅のレビュー・感想・評価

教皇選挙(2024年製作の映画)
5.0
エドワード・ベルガー監督作。

英国人作家:ロバート・ハリスによる2016年発表の同名小説を『西部戦線異状なし』(2022)のドイツ人監督:エドワード・ベルガーが映像化したサスペンスドラマの力作で、第97回アカデミー賞にて脚色賞を勝ち取っています。

ローマ教皇の死去を受けて行われる教皇選挙(コンクラーベ)の一部始終を再現したミステリータッチの宗教サスペンスです。コンクラーベを取り仕切るローマ教皇庁主席枢機卿:トマス・ローレンスの執行のもと、世界各国からバチカンに集った100名以上の候補者の中から次期教皇を選出する機密選挙の過程を描いています。

システィーナ礼拝堂という閉ざされた空間において進行するコンクラーベの経過を、有力候補者の醜聞に向き合うローレンス枢機卿の葛藤と信仰の揺らぎを軸に映し出していく作劇となっていて、枢機卿の水面下の調査によって教皇の座を狙う枢機卿たちの権謀術数と改革派vs保守派の権力闘争の実態が明らかにされていきます。

セット撮影されたバチカンや選挙の会場となるシスティーナ礼拝堂、枢機卿が纏う緋色の聖職者服など荘厳な映像美が全編にわたっていますし、教皇死去から動き出すコンクラーベの実際の流れも緻密に再現されています。そして、主演のレイフ・ファインズが次期教皇に不適格な候補者の炙り出しに奔走する枢機卿を力演していますし、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、セルジオ・カステリット、イザベラ・ロッセリーニらが威厳と風格に満ちた演技合戦を魅せてくれます。
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