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シャイニングのmasayaのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
3.6
スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督、ジャック・ニコルソン主演のホラー映画の金字塔。

キューブリックは映画化にあたり原作を改変しており、スティーヴン・キングは原作から重要な部分が抜け落ちていると主張し散々キューブリックを批判した挙げ句、権利を買い戻し自らの手でドラマ化するといういわくつきの作品でもある。

もう40年以上前の作品であるため映像は見劣りするが当時の最先端技術や今では標準的になっている斬新な手法を多く取り入れている画期的な作品だった。

豪雪の為冬期は閉鎖されるオーバルック・ホテルで管理人をする事になった作家志望のジャック(ジャック・ニコルソン)。
妻ウェンディ(シェリー・デュヴァル)と"シャイニング"という超能力を持つ息子ダニーを連れてホテルに向かうが、そこは過去管理人一家の惨殺事件があったホテルだった…

正直、恐怖という面においてはそれ程でもない。
しかし、"REDRUM"というワードの使い方であったり、効果的な音楽や効果音、鏡を使用した演出、バスルームの女性など、とても40年以上前の作品とは思えないクオリティだ。
キューブリック独特のシンメトリーや奥行きにこだわったホテルや迷宮の構図は見事だし、そしてなんといっても最大の見せ場はジャケ写にもあるようにジャックの狂気、そして親子3人の顔芸対決にある。

狂気のリテイクでシェリーを徹底的に追い込みスキャットマンを精神病院送りにしたキューブリックこそが一番の狂人ではないだろうか。
注目して観れば気付くが実際お世辞にも上手いとは言えなかったシェリーの演技が後半は明らかに変化している。
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