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シャイニングのvenom9のレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.1
大学生の頃の私は本作を観てホラー映画漁りをやめました。
原作者のスティーブン・キングは本作をよしとしていないと聞きますが、なんのなんの、時代やジャンルを超えた作品だと思います。
公開から40年以上にもなるのにカルトな人気が衰えず、考察コンテンツが多数見られドキュメンタリー映画まで撮られています。
本作、まずは劇中オーバールックホテルの内外観に圧倒されます。外観は実在するティンバーラインロッジそのまま、内観は実在のアワニーホテルをモデルにセットを組んだのだとか。極寒と豪雪に閉ざされるも内部は暖かそうで、一方で息が詰まるような閉塞感を観るものにもたらす秀逸な舞台美術です。
オーバールックホテルに向かう山道の空撮も良いですね。何者かが上空からトランス一家を凝視しながら追っているようです。
主要キャストもフリーキーですね。ジャック・トランス(演:ジャック・ニコルソン)の挙動不審でイカれた、少しずつ粗暴になっていく姿、いいです。妻で母のウェンディ(演:シェリー・デュバル)は病的な外観でヒステリックではありますが、作中ではわりとまともです。彼女は50歳くらいで引退してしまい、程度はわかりませんが心を病んでいる情報がありますね。ダニーは抱きしめたくなる可愛らしさ。
本作では数々の怪奇現象が観られますが、実際に起こっていることなのか、トランス一家の幻覚なのか、どちらともとれますね。そのあたりが映画考察好きを刺激してやまないのでしょう。
ホテル外の迷路で朝を迎えたジャックの顔は、コントのオチのようです。
(レンタルヴィデオ時代から何度も鑑賞)
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