kohei

シャイニングのkoheiのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.4
《無能な男(父親)の顛末》

キューブリック③

山の中にある“展望ホテル”で、冬の5ヶ月間、雪によってホテルに閉じ込められる形での管理人職をすることになったジャック(ジャック・ニコルソン)。しかしそれは、かつて管理人をしていたグレイディーという男が突然おかしくなり、妻と娘を殺害した後に自殺したという“1970年の悲劇”という事件が起こったという曰く付きの仕事でもあった。
ーーーーーーーーー

面白い…!序盤から嫌ぁ〜な予感しかしない典型的なホラー映画だが、終始、強い父親像の喪失が描かれているのだろう。だんだん狂っていくジャックは確かに"怖い"存在に映るが、実際のところ何もしてないことに途中で気づくと、その無能さに驚き笑えてくる。男の弱さを描いた映画に違いない。

役者陣の迫真の演技と、狂気的な音楽が導く独特な雰囲気。怖い!というよりも終始楽しい!面白い!と思える変わったホラー映画だ。カメラワークとかも一風変わってて飽きない。先が読めるのにこれほど楽しめる映画は珍しいかもしれない。
kohei

kohei