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シャイニングのmaiのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.2
怯えさせるのが本当に上手で…不気味すぎる。

物語的には分かりやすいのですが、何故ジャックが狂ってしまったのか…とか、ラストシーンの写真とは…など解説を読まないと意図が分からない部分も多くて、難解といわれる理由もわかる気がします。
あと、題名にもなってる「シャイニング」という超能力がさして効果を発揮しなかったり、黒人シェフがすぐに殺されてしまったりと「あ、思わせぶりだったけど伏線ではないんだ」と拍子抜けしてしまうところがありました。原作と映画は別物みたいなので、原作では違う感じなのかな?と比較してみたいという好奇心から読みたいなぁと思いました。

閉鎖されたホテルに散りばめられた不気味すぎる仕掛けがとにかく恐怖です。
そして役者の方達の迫真の演技…ジャックニコルソンは顔の筋肉が柔らか過ぎて、特に口元とかまゆのあたりが怖いし、奥さんのウェンディはラストに近づくにつれて恐怖に侵食されてくのが痛いくらいに伝わり、息子のダニーはシャイニングで観た過去や未来の映像に怯えるシーンなどがうまいし。シェフを除くと、終始この3人の演技力にかかってるといっても過言ではない映画なのですが、その大役を十二分に果たしている演技でした。

演出としてはさすがキューブリック!妥協が一切ないアーティスティックなもので、不気味さに拍車をかけるシンメトリーなホテル内(その中心に双子の女の子…双子でロリータっぽい服の双子ってだけで怖かったです)に、バーカウンター奥の赤と白のトイレ、雪に覆われた途方も無い迷路…どれもこれも美しいのに、そのあからさまな人工的雰囲気がホラーでした。

とにかく恐怖心を煽りに煽って、最後の20分ほどで恐れていたものと対峙させる…そこは鏡の中の「あちら側」と現実世界の「こちら側」が逆転する瞬間でもあります。

面白かったけれど、解説を読まないと分からないところもあって…理解できたかといわれると微妙でした。
https://filmaga.filmarks.com/articles/2270/【ネタバレ解説】映画『シャイニング』主人公ジャックの正体、ラストシーンの意味を徹底考察
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