マルカマーク

シャイニングのマルカマークのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
4.0
ホラー映画は観たくないのだが(だって怖いから)、シャイニングはどうしても観てみたかった。
あのジャック・ニコルソンの狂気に満ち満ちたドアップ顔に、何故か心惹かれたからだ。
そして、「好きな映画はシャイニングです」って言いたかったのだった。

初回鑑賞は、ひんやりした閉鎖的なホテルとジャックの顔と劇中音楽に脅かされ続け半泣きになりながら観た。
でも、グロいシーンはあまりなく、もっと落ち着いて観たいと思ったので2回、3回と鑑賞した。

そして頭に浮かんだ感想は、
とても美しく、表情豊かな映画だな。
だった。

白人至上主義を示唆してるだとか鏡の使い方や唐突なラストシーンなど、いまいち理解出来ないことも多い。
原作を無視したストーリー展開で、原作者が大いに不満をもっていることもネットで調べて知った。
でもとにかく最初から最後まで、目が離せない映像なのだ。

オーバールックホテルの内装…特に息子ダニーがハロランさん(ホテルの料理人)から絶対入るなと釘を刺された、237号室の壁紙がとても素敵で、恐怖要素を取っ払えたらぜひ泊まりたいと思った。
ダニーが三輪車でギコギコ進んでいくシーンは、恐怖のドキドキとホテルの美しさにドキドキした。

あと、ジャックの奥様ウェンディのファッション。
赤青白で合わせた服も素敵だが(星条旗をイメージしているとか)、刺繍がかわいい黄色のカーディガンや緑のギンガムチェックシャツに茶色のジャンパースカートの合わせ方が特に真似したいくらい好きだ。

こういった映像美を楽しみながら、あとは心ゆくまでトランス一家の顔芸バトルを堪能できた。
ジャック・ニコルソンももちろんだが、ウェンディ役のシェリー・デュヴァルもなかなかだった。
かわいらしさと、骸骨みたいな怖さのバランスが素晴らしい顔だと思う(もちろん褒めている)。

ここまで来たら、自信満々にこう言える。
「好きなホラー映画は、シャイニングです。」



でもやっぱり「レッドラム」のシーンは3回観てもゾクゾクした…。