にじ

シャイニングのにじのレビュー・感想・評価

シャイニング(1980年製作の映画)
5.0
・原作未読
・考察解説見てない感想

子供の頃は良さがわからなかったけどなるほどこれは傑作!
導入部からしてサクサク入りやすくかつ「いやもはやこの時点で父ちゃん変じゃね??」となんとなく違和感を持つが周りはそうでもなさそうなところとかいい(面接のときとなあんなんでいいのか?)
案内の時点で色々起こるので視聴者としては早くも「もう帰ろうやめよう」と言いたいのにみんなは乗り気なのでつらい
やはり大量の血液が流れてくるビジュアルは圧巻 アナログってとこがより迫力を出すのだろうか
いちいち演出がにくい
あまり数は見てないので偏見だけど昨今のホラーはほらくるぞ、そらくるぞ、とジェットコースターの頂点までがやたらと長いし、くだりもやたらと長い止まる頃には不快感しかない
それから画面が暗い音が小さい
ホラーだからってそうするのはナンセンス極まりないと思っている
いつの間にかホラーってそういう作りにするものってテンプレ化してるのにイライラする
さすが傑作、原点にして頂点だけあって、緊張感とビックリ演出がちょうどいいし世界はこんなに明るくてきれいなのに、家の中はこんなにも……という対比がすばらしい
特にハロランがホテルに来たときあれが現代の映画だったらやたらと長回しでやたらと回り込むアングルでだらだらとやったと思う
だがそれを来て数分でああもあっさりそしてビックリ抹殺しちゃう すごい
迷路での追いかけっこもだれずにハラハラさせられ、無事にダニーだけ脱出し親子ともども雪景色の向こうへと消えていくカット、そして凄まじい表情で凍死したジャックとカタルシスがしゅごい〜
地味に好きなシーンはダニーとジャックがベッドで話すシーン
ダニーはなんとかジャックをこの世にとどめようとしてるし、ジャックも理性として人間として留まろうと足掻くのにもうほとんどどうしようもなくあちら側に持っていかれてしまっている 避けられない運命が待っているのがわかるシーン
色彩での演出ももなんとも言えない不気味さを醸し出す
無駄にスタイルのいい全裸美女がいる部屋の床やらソファーやらもそうだし、バスルームが緑!しかもなんか変な緑!そうまさに屍蝋のよう
真っ赤なトイレなんてあんなもの現代にあったらクレームの山となるだろう そんな狂気のトイレでされる凄惨な話にBGMは音楽はラグジュアリー
ウェンディーが階段を登るシーンも不自然に壁が青く彼女はありえないものを見るけど、やたらと青くきれいな壁がウェンディーがいるのは現世ではないと示唆するよう

そして最後つまりどういうことだってばよ……?わたしの足りない頭ではわからない
血縁者?生まれ変わり?
作中で扱われている事件は70年代のことなのにパーティーでの人々の服装を見るに、かなり昔のようにみえて違和感はあった
あの建物が建って間もなく"始めて"しまった人間がいるのか、元々はネイティブアメリカンの墓場だったというからもうそこから何かしら始まっていたのか
ここまで考えて思い出した残穢のような怖さと人間の狂気を彷彿とさせる

今更ながらでも昔から名作といわれる映画は名作だった!
ジャック・ニコルソン、すごいなぁ
にじ

にじ