このレビューはネタバレを含みます
最後の車内が全てを物語っている気がする。
映画開始30秒からR18。最初の方はトントン拍子に物語が進む。超お金持ちの男が主人公(アノーラ)を気に入り、何回も指名してエッチな友達になる。そこからラスベガスに行き、結婚までしてしまう。まさにシンデレラストーリー。お金、酒、豪邸など、もう人生は安泰。
しかし、この男は親のことを決して話さない。なんか嫌な予感はした。
そこから急展開に。男の親が息子を連れ戻しにくる。親を恐れて、アノーラを捨て、逃げる男。その男の親の部下がアノーラと大揉め。全てが壊れていく。
親の部下とアノーラの言い合いや、やたら部下がポンコツなところは少し笑えた。
アノーラがずっと叫んでいて言い合いのスピードもすごく、圧倒された。
男の親が出てきてからも最悪の親で、お金は持っててもこんな親は嫌だなと思わされた。
なんだかんだアノーラのことを気にかけてくれるイゴールは、観ていて安心感があった。
最後の車内ではこの映画全て表されていたと思う。アノーラの職業、最悪な男を好きになったせいで起きてしまった悲劇、部下と争ったこと、男の親との言い合いでずっと我慢していた感情、イゴールのなんか憎めなく、嫌いだけど嫌いじゃない感じ、怒涛の勢いで進んでいった生活の終わり、また新たな人生のはじまり、がアノーラの表情、行動に表れていたと感じた。アノーラが自分からイゴールのとこに行くがどこか拒絶してしまう感じが観ていてわかった。
アカデミー賞て作品賞や主演女優賞などを取ったので期待していた。途中まではは疑っていたが最後でひっくり返った。これは賞に値する価値があった。