アカデミー賞では主演女優の人種差別発言によって本命視されていた作品賞や主演女優賞の受賞を逃したということですが、
作品自体の質は間違いないだろうと期待して観賞。
麻薬カルテルのボスが性転換するという話を
コメディではなく切実さをもって描く今作は、
トランスジェンダーである主演女優の存在なくして成り立たなかったものだと思いました。
それだけに、そういうトランスジェンダー当事者が人種差別発言をしてることは改めて残念すぎますし、
彼女が改心してくれることを願います。
作品で強調されているのは、
男性の持つ暴力性と優位性で、
性転換してもエミリアはそれを手放せないし、
それが結果的に身を滅ぼすことに繋がる。
男性として生まれたエミリアが自分でコントロールしようとすることから抜け出せない一方で、
生まれながらにして女性であるリタは結局エミリアに翻弄され続ける。
そのことに根源的な男女のギャップが浮き上がってくる気がした。
ガーディアンズオブギャラクシーファンとしては、
緑じゃないゾーイの姿を存分に味わえて楽しかった。