汽笛の音で目を覚ます

ナミビアの砂漠の汽笛の音で目を覚ますのレビュー・感想・評価

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)
4.1
まずタイトルのナミビアの砂漠とは、YouTubeLiveで観察できる実在する最古の砂漠のこと。劇中でも主人公のカナが実際に見てるけど、常に800人近い閲覧数があって、これをボーと見てるカナみたいな人も本当にいるのかもしれない。

そしてこの映画も、まるで対象が野生動物からカナに変わっただけのLive配信のような感覚がある。何というか話を見てるというよりも、本当にただただカナという生き物の生態を見てる感じ。水を飲むシーンが多いのは、おそらく確信犯でしょう。

それでいて、何となくどこかで体験したことがあるようなリアルさも付き纏う映像に仕上がってるのが凄い。撮り方はもちろんだけど、演出もかなり繊細さがある。監督脚本の山中瑶子と主演の河合優実の才能には、ちょっと良い意味で凄まじいものを感じるほどでした。いやはや見れて良かった。

とはいえ、具体的なこの映画の良さは上手く説明できないので人には勧めづらい…。正直つまんないと思う人は多いだろうし、良さは見た人が各々感じるしかないんだけど、少なくとも誰もが見たことないものにはなってるんじゃないかなー。

ちなみにナミビアというのは普通に国名なんだけど、先住民の言葉で「なにもない」という意味のナミブから来ているらしいです。