醤油屋の弟子

ナミビアの砂漠の醤油屋の弟子のレビュー・感想・評価

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)
1.5
この映画は、劇的な事件や分かりやすい起承転結を排し、主人公カナ(河合優実)の日常と彼女を取り巻く人々との関係性を、抑制されたトーンで丹念に追っています。カナの微細な表情の変化、登場人物たちの間で交わされる、時に核心を突くようでいて、どこか空疎な会話の断片。それらが静かに積み重ねられることで、現代という時代のリアルな空気感と、その中で生きる個人の孤独や葛藤が、鮮明に、そして痛切に浮かび上がってくる映画でした。

カンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞したことは、独自の映像言語と、現代社会に対する批評的な視線が高く評価された証左でしょうね。本作は、説明過多なセリフや分かりやすい展開に頼るのではなく、映像と音、そして俳優の身体性を通して、思考や感情の「余白」を大きく残してます。宿題として余白を探求していくことを求められた気がします。

残念ながら私には合わない映画だったので評価は低くさせて頂きました。