ヨーク

新・三茶のポルターガイストのヨークのレビュー・感想・評価

3.3
本作『新・三茶のポルターガイスト』を観たのは大体一週間前の7月1日で、その日から俺は4日ほど実家に帰省していたんですよ。その帰省している間に本作の感想文を書こうと思っていたんだが結果的には書かずに一週間ほど経った7月7日になってやっとこさ筆を執ったわけだ。別に感想文を書くのが難しかったわけではないし、実家にいる間が忙しすぎて感想文を書く暇がなかったというわけでもない。いやね、ぶっちゃけこの映画の感想文なんて30分もあれば書き終わると思ってたし、内容的にも色々と考えを巡らせて書かなければいけないような映画というっわけでもない。じゃあ何で書けなかったんだよ、と言われたらまぁあれだよね、端的に言うと特に書くことないなっていう感じの映画だったからですね。
断っておくけどつまんなかったわけじゃないよ。めちゃくちゃ面白かったかと問われると別にそこまで面白かったわけじゃないけど、好きか嫌いかでいうと確実に好き寄りの作品です。でも別にそんなに長々と感想を書くような映画でもないよなーっていう感じなんだよね。
まぁ内容としては実録風心霊ドキュメンタリーという感じの映画なんだけど、正直こんなもんアンビリバボーかたけしのテレビタックルの改編期の特番でやってりゃいいよっていう程度の内容でしかなかったので特筆するようなもんはそんなにないんですよ。映画の内容としては三軒茶屋にあるというヨコザワ・プロダクションという割と老舗らしい芸能事務所が入っている雑居ビルには夜な夜な幽霊が出るという。そのビルは東出昌大によるナレーションが言うにはロンドン塔やウィンチェスターハウスやメキシコの人形島に匹敵する世界有数の心霊スポットらしい。数年前に公開された『三茶のポルターガイスト』(ちなみに俺は未見)でその恐るべき心霊現象の数々が捉えられ、多大なる反響を呼びその中にはすわヤラセでは? という声も多数寄せられたということから本作は続編として制作され、なんか物理関係の学者さんとかも呼んできて本当に心霊現象が起こっているのかを検証していくというドキュメンタリー映画なのである。
な? そんな映画観せられてもそんなにつらつらと感想文書くことあるかよ!? っていのは分かるでしょ? 上記したように特筆するようなこともない映画なんですよ。いや、一個あるかな? 本作『新・三茶のポルターガイスト』という映画の大きな特徴としては平和な映画だったな、ということがありますね。うん、それはある。心が優しくなるほのぼのドキュメンタリーでしたよ。こんな映画にネタバレもクソもあるかよって思うから書くけどさ、舞台となる芸能事務所に出てくる幽霊の中でも本作のメイン級として“てっちゃん”という幽霊がいるわけですよ。それはひな壇とか机の隙間とかから出てくる手の幽霊で、手の幽霊だから“てっちゃん”なわけですね。んでそのてっちゃんが出てきたら本作の進行役でもあるTOCANAの編集部員かなんかでオカルトライターの角由紀子が「あ! てっちゃんだ!」とか「てっちゃん(出てきてくれて)ありがとー」って感じのリアクションをするわけですよ。そんなもんほのぼのドキュメンタリーとしか言いようがないだろ。もう20年以上も前のことだと記憶してるが多摩川のタマちゃんを思い出したわ。
大体そんな調子で進行していきますからね、この映画。それはもうお前ら分かった上で楽しめよっていう感じですよ。幽霊とは何なのかとか真面目に論じるような気持ちにはさらさらならないが、90年代のオカルト特集とかやってた頃のテレビが好きだった人はかなり楽しめるんじゃないかな。平和で心優しくなるドキュメンタリー映画だと書いたが、そこら辺は俺の個人的な懐かしさを喚起されて好意的に観ているという部分もあるだろうとは思う。
いやだってさ、地下アイドルみたいなグループが衣装としての仮面を付けてダンスの練習してるときに何か知らんおっさんが一人紛れ込んでてさ、それに対して「これ幽霊ですね」とか言うんだよ。しかもそのダンス曲の途中では仮面を外すパートがあって舞台の端っこにその仮面を投げ捨てるネットが設置されてるんだけど、そのただのおっさんにしか見えない人(敢えて人と書こう)が出てきた後にそのネットの中には仮面だけでなくそこには存在しないはずの不気味な正体不明の草が茂っていたんだけど「先生これは一体!?」と物理学者の先生に迫ると「私は植物学者じゃないからこの草が何かは分からないですね…」とか返されるんだよ。そんなん絶対笑うだろ。また劇中ではお馴染みのこっくりさんが多用されるんだけど、これ作中では誰も突っ込んでなかったけど途中で誰だったか忘れたけど一人でこっくりさん始めるシーンがあったからね。いや一人こっくりさんは禁じ手すぎるだろ! それお前が動かしてるだけじゃん!!
まぁそういう迷シーンが10分に一回くらいはやってくる映画だったのでね、心霊ドキュメンタリーとして面白いとか優れてるとかはともかくとしてかなり好きな映画でしたね。これはねぇ、幽霊が実際にいるとかいないとかのお話しではなくて、その境界はいつだてぼんやりとしているんだよっていう映画なんですよ。こんなもんヤラセに決まってるだろ…と思いながら観てもいいし、本当に幽霊かも…と思いながら観てもいい。そのゆるりとした感じに平和や優しさを感じるわけですな。
あ、ちなみにホラーとしては1ミリも怖くありませんでした。そういう意味ではホラー映画としてどうなのよと言われたら何も返す言葉はない。でも角さんがかわいいので最後まで観れました。本作がそこそこくらいにヒットして続・三茶のポルターガイストとかが公開されてメインのナビゲーターが角さんだったら多分観ると思います。多分。
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