ある中学で夏季補習を担当する臨時教師で、赴任直前に養護施設で働く恋人の七尾悠馬が交通事故で意識不明の重体になってしまった君島ほのか。受け持つクラスでも生徒の一人が不審な転落死を起こす事態に見舞われる彼女が、かつてもその学校で起こった転落死と不穏なメロディーを歌う少女の呪いに苦しめらる様を描いたホラー映画です。
一貫してホラー畑を開拓してブームが過ぎ去っても安定してヒット作を生み出しす清水崇がGENERATIONS from EXILE TRIBE主演で制作して観客から好評を得た前作の『ミンナのウタ』を引き継いで手掛けた作品で、NMB48を卒業して映画初主演の渋谷凪咲やブレイク中の早瀬憩を呪いの少女が盛り立てる物語で二作連続の高い評価を得ました。
アイドル女優が演じる主人公を名ホラーキャラで呪縛に引き込む往年の『呪怨』メソッド自体に目新しさはありませんが、他が諦めていった「アタック」を疎かにしない体幹の強さで作品を支えます。もう一つの軸であるサスペンスとしての推進力や展開に弱さはありつつも、ホラーとしての根幹のパワーで観客の求めるものに応える一作です。