経済崩壊を新与党「新しい米国建国の父達(NFFA)」が施行する年に一日犯罪を許すパージ制で回復させた米国。一方で日増しに大きくなる反対派の声を背負って立候補した大統領候補でかつてパージで両親を失ったシャーリーン・ローンが、大統領選を二ヶ月前に控えたパージで肯定派の攻撃を警備のレオらとかわす様を描くスリラー映画です。
NY生まれパリ育ちの映画監督ジェームズ・デモナコの代表作で二作続けて期待以上の成果を収めた『パージ』シリーズ第三段となる2016年公開作品で、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンが争う実際の大統領選を控えての公開も手伝って一億ドルを有に超える興行収入を記録。賛否両論ながらドル箱シリーズとして地位を確立しました。
成り上がりを果たしたシリーズらしく立て籠もりスリラーから群像劇そせて大統領選と順調に舞台のスケールをアップさせてはいるものの内容が見合っているかは別問題で、そもそもあまりに稚拙な制度を真面目に語られればられるほどテーマ性が萎んでいきます。それでもかろうじて前作からの遺産であるレオの奮闘で推進力を保つ一作です。