もはやアクションが凄いとか、ちさととまひろのユルさが良いとかは当たり前で、やっぱり今回の目玉は冬村かえでを演じた池松壮亮でしょう。
池松壮亮はとびきり好きな俳優で、本作でも期待どおり素晴らしい存在感を発揮していた。弁当のお箸をもらえないところとか、殺しを自己啓発の一つとしてストイックに取り組むところとか、池松じゃん!って感じ。その満足感の中でふと「どうして彼は見事な役回りが多いのだろう」と考えてみると、それは実は本人の凄さではなくて、もちろん本人もすごいんだけど、皆がこういう池松壮亮が大好きっていうのが一番大きいんじゃないか。みんな彼にこういう役をやってほしいんだよ。あと、彼が使う銃の音がすごく良い。
でも、ある種のワーカホリックで自分自身を高めることばかり考えていても、結局は、テントの中で一緒に食べるカップラーメンとか、一緒に初めて飲むビールには結局勝てないんだよな…っていうのは、中々シリアスなメッセージ。