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スウィート・スウィートバックのROYのレビュー・感想・評価

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ブラックスプロイテーションの先駆け

娼婦たちに育てられた黒人青年が、白人社会に反逆する姿を描いた作品。

Earth, Wind & Fireによるジャズ・ファンク・グルーブ溢れる、70年代以降のブラック・ミュージックの起爆剤となったサントラ。

YOU BLED MY MOMMA-YOU BLED MY POPPA-BUT YOU WONT BLEED ME

■STORY
幼い少年スウィートバックは娼婦たちに引き取られ、娼館で育てられることに。少年はそこで無理やり襲われ童貞を失う。しかし、やがて自らのセックスの才能に目覚めていくスウィートバック。大人になった彼はクラブで行なわれるセックスショウの男優として働いていた。ある日、スウィートバックは無実の罪で白人刑事たちに連行された際、途中で刑事たちが黒人活動家をリンチする現場を目撃してしまう。何かに目覚めたスウィートバックは刑事たちに襲い掛かり、ついには逃走を企てるのだった…。

■NOTES
1971年にメルヴィン・ヴァン・ピーブルズ監督はNewsweek誌にこう語った。

“これまでの黒人に関する映画はすべて、アングロサクソン系の大多数の人々の目を通して、彼らのリズムや言葉、ペースで語られてきた。私の映画では、黒人の観客はようやく自分たちのファンタジーが演じられているのを見ることができる......泥の中から立ち上がりケツを蹴り上げるのだ”

『スウィート・スウィートバック』は、目的のない快楽を求める若いハスラー(ヴァン・ピープルズ)が、2人の白人警官に黒人革命家が殴られるのを目撃した後、過激主義に転じるという話だ。盲目的な怒りに駆られたスウィートバックは、警官に残忍な復讐をし、絶望的な逃亡生活を余儀なくされる。

わずか2館での公開にもかかわらず、否定的な批評が相次いだが、本作は興行収入1000万ドルを達成し、Daily Variety誌のインディペンデント映画興行成績ランキングで上位にランクインした。また、この作品は、いわゆる「ブラックスプロイテーション」映画ムーブメントのきっかけとなった作品としても広く知られている。

↑米版DVD裏面より抜粋/翻訳

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はっきりしておこう。メルヴィン・ヴァン・ピーブルズが歌っているわけではない。映画公開の2か月後、1971年7月にリリースされた『スウィート・スウィートバック』のサントラは典型的なサントラであり、いわゆるスタックスのソウルフルな楽曲を収録したコレクションとは違っている。しかし現代のリスナーは歌っていない声がアルバムに収録されていても、1971年のリスナーほど戸惑いを感じないはずだ。そしてこのアルバムは、濡れた土の上を耕すすきのようにグルーヴするのだ。

↑Ian McCann. ‘Sweet Sweetback’s Baadasssss Song’: How Melvin Van Peebles Lit The Blaxploitation Fire. “uDiscover Music”. 2021-09-22. Retrieved from https://www.udiscovermusic.com/stories/blaxploitation-sweet-sweetbacks-baadasssss-song/

■THOUGHTS
エッチな映画

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