お父さん(国家)の隠れた本性とヒジャブに覆われた女性たち(国民)の抑圧された魂の慟哭
制圧する者と服従する者、反発する者。 夫(父)の銃が消えたことで疑心暗鬼に陥ってゆく家族間の揺らぎは次第にイラン国家に制圧された怒りと反発、そして民衆の叫びに重なっていく。
ファミリーディナーでの父娘の軋轢、カウンセリングと称した尋問の圧、そして監督や国民の不安を表しているような迷路的追いかけっこなど、神経をすり減らすような緊迫したシーンの連続。毛色の異なる2部構成的な展開で息つく暇のないサスペンスフルな構成と緊張感を煽る巧みなカメラワーク、長尺を感じさせないエンタメ性も秀逸。
夫の昇進に心踊らせる妻の"関心領域"は自分の理想のお城(マンションのおしゃれな内装は全部おかんの趣味やと思う)、そんな彼女の守ろうとするものが変化せざるを得ない状況こそが監督さんの訴えたかった本意の一つ そして血溜まりにきらめく散弾銃の玉はイチジクの種の比喩と受け取りました
拳銃という暴力性が家庭内に持ち込まれそれが故意に奪われることで浮き彫りとなる秘めたメッセージ性、ヒューズの飛んでしまった一家の主と拳銃に翻弄された家族の顛末はイランの未来予想図となるのか、
時代はもう神に縋るだけじゃない うちに秘めた意志や希望を解放する強さに祈りをこめて ✌︎ ̖́-
拳銃は男性性のシンボル?
冒頭で初めて手にした銃に高揚し それを妻に握らせようとする夫と戸惑う妻の姿は、性を強要する卑猥的な解釈にも感じられたり…
ていうか、完全そういう目でみてた🙈︎