カンヌ映画祭審査員特別賞&アカデミー賞ドイツ代表。イラン映画ですが完成品はドイツです。監督はイラン人でイランで撮影を行ってきましたが、反政府映画として政府に有罪判決を下されたため自力でイランを脱出し、この映画をドイツで完成させました。
サスペンス映画ではありますが、『イスラム教の神の定めが国の法律になってしまう』というイランへの社会風刺の映画と思います。そのため事前に2022年に起きたマフサ・アミニさん事件を調べておくとよいと思います。これを知ってる知ってないでだいぶ感想が変わります。
イランという国を男性の主人公、妻、娘2人という家族に転換させた作り方は良いと思いました。個人的には銃が盗まれる前までのほうが面白かったです。銃を盗んだのは誰だ?みたいなミステリーを期待してはダメです。銃の行方は明らかになりますが本質はそこではないので。
ただ、ちょっと長いんだよな。イランの現状を伝えたい気持ちは分かるんだけど、後半は上映時間の長さにストーリー展開がついていっていない気がして間延びしてしまっている。
2025年17本目