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まるの440のレビュー・感想・評価

まる(2024年製作の映画)
5.0
作品の独り歩き
受け取る人がどう思うか

めちゃくちゃ面白かった。
観終わった後に色々考えた作品。
評判
話題
価値
これは絵画だけじゃなく音楽や映画はもちろんの事、全ての「もの」に言える。
100万払っても欲しい人もいれば、ゴミ同然という人もいる。

この作品についても受け取る人がどう思い、評価されるのか?
作り手である荻上監督はどう思っているのか?
是非お話を伺ってみたいです。

有名アーティストのアシスタントを務めるサワダ。
自転車事故により手を怪我した事で突然解雇されてしまう。
今後どうしようかと途方に暮れていた時、たまたまインスピレーションで描いた「○」が評価されてしまい、人生が変わっていくお話。

予告を観た時は、突然有名人となってしまった男の苦悩を皮肉たっぷりに描いた作品なんだろうなと思ったら、その先の自分はどうするのかを描いた作品だった事がとても良かったです。

自分のしている事の意義
誰かの役に立つ
2割の働かないアリ🐜

隣人の漫画家役の綾野剛や一部の人にしか得しない社会を世間に訴える吉岡里帆、突然知人が有名になった事でたかりに来る濱田マリやおいでやす小田など多岐に渡る人物が穏やかにすごしたいサワダに迫ってくる。

芸術を商売と考えるのか?
吉田鋼太郎や小林聡美の存在も色々考えさせられたが、中でもコンビニで働く森崎ウィン扮するモーの考え方はとても共感した。
ここでも「まる」がキーワードとして語られるんだけど「丸く収める」ための言動や心構えも本当に必要だなぁとつくづく思う。

前作「波紋」も俺は最高に好きで、いまだに心に残る一本でしたが今作も間違いなく心に残る一本になりました。
柄本明や片桐はいりの匂わせキャラも最高に良かったし、なんと言っても堂本剛のナチュラルな演技はめちゃくちゃハマってましたね。
全てにおいてエクセレントな作品でした。
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