このレビューはネタバレを含みます
不謹慎かも知れないけど映画というエンターテイメントとしても面白い作品だった。
しかし取り扱う題材はセンシティブでとても重い。
この作品を通して見れば「疑わしきは罰せず」であり無罪が相当だと思える。しかし現実は死刑判決が下り、証拠の再検証もされていないらしい。果たして彼女は真犯人なのか?冤罪の可能性はないのか?
夏の終わりにとても重い宿題を出されてしまいました。
最近は重大な事件事故が起こるとネットニュースのコメント欄には実名報道しろ!厳罰に処せ!とのコメントが溢れるし、私刑とも言える晒し行為も後を絶たない。しかしそれで良いのか?
きっとそのような行動をする方々はみんな善良な市民であり犯罪を起こすことはないのだろう。しかし誰もが突然まったく心当たりがない事件の被疑者として冤罪事件の当事者になる可能性はないだろうか。
だからこそ法は被疑者にも人権を認めているはずなのに市民がそれを認めない。
もちろん被害者の方々の心情を考えれば厳しく罰せられるべきとの感情もわからなくはない。しかし感情が先行すれば間違いを誘発する可能性も高くなるのではないだろうか。
という堂々巡りで答えを出せていません。
なぜ刑罰であれば人を殺める事が許されるのか?
そもそも実名報道する意味はなんなのか?
被害者の感情はどうやって救われるべきなのか?
犯罪者の家族もある意味で被害者と言えるのではないのか?
きっと私には死ぬまで答えが出せない。
だから考え続けていくしかないのだろ。
そして事件当時も今もマスコミは変わらないんだなぁと。
なぜ被害者家族が花を手向けた時にマスクを外すように指示してやり直させる必要があるのか?あのシーンこそ被害者感情を踏みにじっているようで胸糞悪かった。