この手のドキュメンタリーは食指が動きやすいので期待して鑑賞。
林眞須美死刑囚の冤罪を訴えるスタンスがはっきりしているので、そのバイアスを踏まえて見なければいけない。
眞須美死刑囚の夫が保険金を詐取した手口を語り出したとき、やはりこの一家ならやりかねない…という印象を持ってしまった。
息子さんはきちんと教育を受けた善良な方に見えて、家庭環境や事件を考えるとそれがとても不思議に思える。「幸せに生きることを諦めた」という。難しいと思うが諦めないでほしい。
一番迫力があったのは、夫と息子がかつての友人であり事件の“被害者”となった男性をひさびさに訪ねるシーン。
しんどかったなぁ、と少しずつ氷を溶かすように会話を続け、「マミーが本当にやったと思う？」と夫が切り出す。
この場面は監督からの提案で生まれたのかもしれないが、それを差し引いても生々しさが際立っていた。
ヒ素が本当に畑仕事や白アリ対策で日常的に使われるものなのか、いろんな国のヒ素がそんな簡単に手に入るのか気になる。
カメラマンの「マスクはずしてもう一回手を合わせてください」はマスコミのダメな振る舞いをわかりやすく映し出してて笑った。
あと日本生命は飛んだもらい事故だったと思う。
