TheGOODEARTH

マミーのTheGOODEARTHのレビュー・感想・評価

マミー(2024年製作の映画)
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人間はすぐに理解しやすいように相手を悪魔化してまるで同じ人間ではないかのように振る舞いそしてまた人間が悪魔へと裁きをくだす
しかし、事件をしっかり追えば、全ては人間が人間を傷つけそして人間が犯人を捕まえ裁いているのだ。
この映画から見えてくるのはメディアスクラムによって出来上がった「死刑囚とその家族」という作り上げられたイメージキャラクターの実際の姿だ。
彼女やパートナーが善人かといえばそれは違うかもしれないが、だからといって彼女を死刑と確定するにはあまりにも証拠が足りていないという事実だ。
そして、日本に巣食う病理「もうここまできたら戻れない」だ。
先の大戦から日本は何も学んでないし、なにも変わっていないように感じてしまう。
間違えたらいくらでも戻ればいいし。証拠がでるまで調べればいいのだ。
しかし、一度作り上げられたイメージを払拭するにはとても時間がかかる。
SNSでデマが一度拡散されるとなかなか、訂正する記事の方はなかなか拡散されない。
人は信じたいものしか信じないのだ。
だからその信じたものの間違いを認められないのだろう。
映画内で、あっけらかんと保険金詐欺について話す場面には最初、面食らった。
この映画を見ているとあまりのことに笑ってしまう場面もあるし面白いと言いたいのだが、まるで別の世界線で生きているようにも見えるし、そこには冤罪と死刑がまざまざと横たわっているので、私になかなかそれをさせれくれなかった。
あと映画内で冤罪を訴える人々に対して反論してくる人が、じゃあ誰が真犯人なのだ?と聞いてくる場面で、冤罪を訴えることと真犯人を探し出すことは全く別の問題なのに同じこととして見てしまう。見方の怖さも感じた。それはやっぱり真実よりも生贄探しなのではないかと。
おそらく低予算でありながら、新たな技術ドローンは新たな画角と事件を俯瞰するような視点を与えてくれている気がして素晴らしかった。
繰り返しになるが、人間は常に間違える。そしてなかなか学ばないし反省もしない。そんな人間が人間を殺す、死刑を私は廃止すべきだと思う。
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