会場を万博記念公園に移して開催されたサマーソニック大阪を2日間がっつり楽しんだ翌日に観たNetflixオリジナルのドキュメンタリー映画。完全に音楽モードになったままの僕の脳には、本作で聞こえる南米の音楽がちょうど良かった。

本作の主人公であるチリの女性シンガー・ソングライター、モン・ラフェルテの音楽を初めて聞いたのは、2019年コーチェラ・フェスのライブ配信。チリの大衆歌謡とロックを融合した音楽をやっているのだが、びっくりするぐらい日本の昭和歌謡に似ている。というか、それは順序が逆で、日本の昭和歌謡が中南米の音楽から強い影響を受けていたという事なのだろう。昭和歌謡のバックバンドにはメキシカンハットを被ったギタリストやパーカッション奏者が混じっていた事を思い出す。

本作では初期のパンクっぽい音楽をやっていた頃の回想から、妊娠期間中も活動を続ける彼女の力強い姿を捉えている。ステージでの印象そのままに、ありのままの自分をさらけ出すスタンスが格好良い。

しかし、残念な事に日本で「洋楽」と言えばアメリカやヨーロッパの音楽を指す事が多く、中南米の情報が入ってくる事は殆ど無い。案の定、本作も僕が最初のレビュワーとなってしまった。Netflixではこうして字幕付きの映像がいつでも見られるし、Spotifyで作品に触れる事もできるので、彼女の存在が日本でも広く知られるようになる事を望んで止まない。

チリの人気歌手というのを初めて見たけれど、衣装や曲がどことなく日本の演歌や古い歌謡曲に似てる。